今回は作家 垣谷 美雨さんのおすすめ作品を紹介します。
初めに垣谷さんのご紹介を簡単にします。
垣谷さんは1959年兵庫県生まれ。明治大学文学部卒業。 2005年
「竜巻ガール」で、第27回小説推理新人賞を受賞し、デビュー。誰もが直面する
社会問題を、ユーモア溢れる筆致で描く作品が多い。著書に「七十歳死亡法案、可決」「老後の資金がありません」「四十歳、未婚出産」「夫の墓には入りません」「姑の遺品整理は、迷惑です」「うちの子が結婚しないので」「うちの父が運転をやめません」など多数。
今回は、多数あるもののうち私のお気に入りである、
「リセット」 「老後の資金がありません」 「うちの子が結婚しないので」 「定年オヤジ改造計画」の4作について、私の書評とともにご紹介します。
リセット
内容紹介(出版社より)
ぼんやりした不安と不満を抱えながらも、平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。”未来の想い出”がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そしていま、再び新しい人生へ!
人生は変えられるかもしれない……長編小説。
隣の芝生は青く見えるという言葉は現状の不満を受け入れ行動できない人の戯言なのかもしれない。そんな人が別の人生を送り直すことができても不満は消えない。どんな人生をを歩むかより、人生を通しての考え方そのものが重要であることを教えてくれる。
人生をやり直してみた3人。人生における仕事や主婦として生きる人生の苦労や悩みを知り、自分が耐えられるのか、耐えて得られるモノを吟味し選択する大切さを教えてもらいました。学生の進路選択の助けとなる一冊。
老後の資金がありません
内容紹介(出版社より)
しっかり貯金して老後の備えは万全だったわが家に、突然金難がふりかかる!後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるという。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?普通の主婦ががんばる傑作長編。
こだわりたいこと理由を考え選択することが貧乏思考からの抜け出すためには必要である。例えばマイホーム、結婚式や葬式といった費用は雪だるま式に増えていく。心が通ったものにすることが最優先であり、見栄を張ることが如何に愚かなことかを教えてくれる物語。
うちの子が結婚しないので
内容紹介(出版社より)
老後の準備を考え始めた千賀子は、ふと一人娘の将来が心配になる。 28歳独身、彼氏の気配なし。自分たち親の死後、娘こそ孤独な老後を送るんじゃ……? 不安を抱えた千賀子は、親同士が子供の代わりに見合いをする「親婚活」を知り参加することに。しかし嫁を家政婦扱いする年配の親、家の格の差で見下すセレブ親など、現実は厳しい。果たして娘の良縁は見つかるか。親婚活サバイバル小説!
男尊女卑的思想の持主や、お嫁さんをタダで使えるお手伝いさんであるといった考えの人がいまだに多い日本。果たして共働き世帯が増える中、相手の見た目以上に考え方が長い夫婦生活をしたい方には重要である事をこの小説は教えてくれます。
心の中で思っているだけではいつまでたっても変わらない。主人公の友美は両親とともに2年後に迫った30歳になるまでに結婚を目指すことを決意。いい人という頭の中にある結婚の条件を明確にすることで具体的な行動に進むことができる
砂漠の中から金を探し出すようなものと例えられるほど相思相愛で結婚に辿り着くことは難しいと言われています。相思相愛がほとんど無いにも関わらず、周りには沢山の夫婦がいます。この小説ではお見合い結婚であっても恋愛結婚であっても勢いと妥協が必要ということが伺える内容です。
定年オヤジ改造計画
大手石油会社を定年退職した庄司常雄。悠悠自適の老後を夢見ていたが、良妻賢母だった妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。
気が付けば、暇と孤独だけが友達に。そんなある日、共働きの息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれ…。
崖っぷちオヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避&家族再生に挑む!長寿時代を生き抜くヒントが詰まった「定年小説」の傑作。
「女性には生まれつき母性がある」、「3歳までは母親が育てないと」は世の父親たちが作り上げた神話である。常識とされているものは全て得をする人たちがいることを忘れてはならない。自分の目で見て判断できる人間であることの大切さを教えてくれる小説。
話が通じないと人は諦める。妻が会話の途中に黙るのはその合図。もっとも時間を長くする妻との会話では妻の言葉に真剣に耳を傾けておかないと取り返しのつかないことになる。。夫婦間では夫が自然に高い地位にあるようにふるまいがちであるが、夫は妻に対して自分が下だったらということを考えると理解の助けになる。
子育てをしない夫にはなりたくないと感じる描写が印象的でした。泣き続ける我が子に対するイライラ、自分の時間が一切なく、夫は何もしてくれない。結婚を妻に後悔させないためにすべきことを教えてくれる一冊。コロナでの自粛生活を体験して子育ての苦労が身にしみることが多かった。
まとめ
今回は垣谷さんの小説を4つ私の書評、感想とともにご紹介しました。
垣谷さんは旧態依然の男尊女卑的思想をテーマにしたものが多く、男性の皆様には1度是非手に取ってもらいたい内容に
なっているように感じます。
もちろん、女性も自分の現状が異常であることを客観的に知ることができる一冊であると私は思っております。
以上最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント